8月24日(木)
池田理代子です。
雨の晴れ間に、こんな虹が出ていました。
実物はもっとずっと大きいです。
先日の19日ティアラ江東大ホールでのボエームは、マクベスと一週間しか離れていなくて、しかもご案内も大変遅かったにもかかわらず、後援会員はじめ多くの方たちがいらしてくださいました。
森家さんなんか、アメリカから来日しているお嬢さんとお孫さんまで連れてきてくださって、きっと孫のライリちゃんにとっては初オペラだったのではないかしら。
昔から、『ばらのミューズたち』の舞台や第九の本番を手伝ってくれた懐かしい面々が、立派に主役やキャストをこなしていて、その成長ぶりに涙が出そうなほど感激しました。
村田はもうすっかり持ち役の、画家マルチェッロでしたが、プログラムを見ると、「演出プラン」まで担当していて、さぞかし大変だったことでしょう。
東京に泊まり込んで稽古を続けている途中で、声帯が合わさらなくなって病院通いをするなど、本当にドキドキものでしたが、無事に乗り切ったようでした。
会場にいらしていた知らないお客様たちが、「マルチェッロが声も演技も素晴らしいね」などと話していらしたのが聞こえてきて、嬉しかったです。
指揮の飯坂純さんは、やっぱりさすがの実力で、オーケストラをまとめ、歌手にも気を配り、本当にこの人は天才だと思いました。
出演者たちも「日本音楽界の宝」と言っていらっしゃいました。
交響楽では有名な指揮者でも、オペラを振るとなると全然ダメな人が多い日本です。
海外でオペラを振って、散々な酷評を受けた高名な指揮者もいます。
この『ボエーム』が終わった次の日には、何と『マクベス』のオーケストラ合わせという過酷な日程で、村田は、休む間もなく東京に滞在して頑張っています。
『ボエーム』を観に行った日だけ、久しぶりに一緒に食事をしました。
「いきなりステーキ」で、600gのステーキを食べていました。
私も、別に歌ったわけでも何でもないのに、300gのステーキをいただき、その上さらにお蕎麦屋さんにはしごまでしました。
衣裳合わせも終わり、そろそろ通しや場当たりで、気が狂いかけていることと思います。
こちらの『マクベス』には、ボエームの四倍ものお知り合いがいらして下さるので、お会いできるのが楽しみです。
喉にだけ注意して、頑張ってほしいと祈っています。
『ボエーム』のような華やかさや軽妙さのない、シェイクスピアのシビアなストーリーに、かのヴェルディの音楽です。