2023年09月30日

九月最後の日となりました

9月30日(土)
池田理代子です。

八月と九月は、私の仕事や村田の舞台などで、ほとんど東京にいることが多かったです。
漸く今日は、秋らしく涼しい風が窓から入ってくるようになりました。
熱海では、恒例の花火大会で、また大勢の人がやってきます。

先日のアメリカンクラブでの講演と音楽会も無事に終わりました。
私の講演が終わってからの、岡崎ゆみさんと村田孝高の音楽会、ピアノにほこりがたまっていたりして、とても弾きにくかったそうですが、ゆみちゃんの『カンパネラ』の独奏も、また村田の歌も、素晴らしかったです。

アメリカンクラブでのこのシリーズのイベントでは、一番大勢の皆様がいらして下さり、一番素晴らしかったと、クラブ側から言っていただきました。
私も、村田の歌を一番前で聞かせてもらいましたが、「本当にうまくなったなあ」というのが、身びいきではなく感じられました。
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ここまでの歌が歌えるようになったのは、これまで長きにわたって応援してきてくださった皆さんのお陰であることを、しみじみと感じました。
改めて、『村田孝高後援会』ほか、彼を応援して来てくださった皆様に、心から感謝申し上げます。

私は、きゅりあんからの疲れもあり、体がかなり参っていたので、いったん熱海に戻り、身体を休めて、この後の23日のかなっくホールでのコンサートには行きませんでした。
そうしたら、かなっくホールでの演奏が、また一段と素晴らしくて、会場からスタンディングオベーションが上がったそうです。
どうも私は、村田の一番素晴らしい歌を、いつも聞き逃してしまうようです。
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ユダヤ人作曲家シュトルツが、愛する妻に捧げた『Ich liebe Dich』と言う歌を、私が村田のためにドイツ語から日本語に翻訳したのですが、その歌がすごく評判が良かったと聞きました。
日本語での朗読もしたそうです。
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このコンサートの終了後に、主催者の方から、村田の歌を絶賛する比較的長いメールをいただきました。
紛争の続くミャンマーの無医村で働いていらっしゃる方々へのチャリティということで、少しでもお役に立てたのなら、本当に嬉しいことです。

このあと10月に入って、既にお知らせしているように、10月13日には、神楽坂の音楽の友ホールで、村田は榛葉さんのリサイタルで歌わせていただきますが、ここで、私が聞き損ねた『Ich liebe Dich』を歌ってくれるそうですので、頑張って音楽の友ホールには出向きます。
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皆様にご案内をお送りすると申し上げていましたが、チケットが残り少なくなってしまいましたので、今回郵送でのご案内はできなくなりました。
早々とお申し込みくださいました皆様、本当に有難うございます。
まだあと少し残っている数枚を、直接メールや電話でお申しこし下さった皆様にお届けしたいと思います。

昨日は中秋の名月でした。
少し雲がかかっていましたが、その風情がまた海に映えて、とても幻想的でした。
本当に、待たれた秋が漸くやってくるのですね。
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今年は少し暖冬だとか。
私には嬉しい予想です。
どうぞ皆さまお元気でお過ごし下さいね。

posted by riyoko at 19:41| Comment(0) | 日記

2023年09月19日

まだまだ暑いですね

9月19日(火)
池田理代子です。

お彼岸も近いというのに、まだまだ暑いですね。
皆さん体調は大丈夫ですか?

先日は、きゅりあんでのオペラ『男も女も皆こうしたもの』に、暑い中をおいでいただき、本当に有難うございました。
おまけに二日目は、豪雨と雷でした。

私はぼんやりで、「特別ゲスト歌手として出てください」と言われたのを、一回だけ歌えばいいと思っていたら、何と、二日間の昼夜公演で、本番は四回、それにゲネプロも二回、場当たりも二回で、合計八回歌うことになっていました。

しかも、きゅりあんは楽屋から舞台までエレベーターがなく、長い階段をせっせと上り下りして歌うので、心臓が破裂しそうでした。
私が歌った、プッチーニの『蝶々夫人』から「ある晴れた日に」を、二期会の大御所・菅野先生がとても褒めて下さり、本当に嬉しかったです。
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青島先生なりの翻案で、レズの話に変えられていましたが、私は別にそういうことに偏見はありませんが、途中に色々とモーツァルトのものではない歌や音楽が入り、中でも二葉百合子さんの『岸壁の母』を、おふざけで歌わせていらしたのには、ちょっと心にとげが刺さりました。

それと言うのも、私の父は、終戦の1945年八月に、激戦地の南方から戻ってこなかった兵士だったからです。
それから二年して、捕虜となった父は、生きて日本に復員しましたが、私が生まれた時には、顔も見ぬ祖母は亡くなっていました。
父は果たして祖母に生きて会えたのかどうか、父は私に、祖母の「理代」という名前を付けたのです。
あの頃、どれほどの「岸壁の母」が、帰らぬ息子を、もしやもしやと思って待ち続けたことか、それを思うと涙が止まりません。
そういうことをギャグとして使うのは如何なものかと、とても心が痛んだ次第です。

私の楽屋は、あの宝塚でアンドレをなさった大和悠河さんとご一緒で、びっくりするほど気さくでお心遣いのある方で、すっかり意気投合いたしました。
しかも、本格的にオペラの勉強をなさっていて、音大を出た人でも難しい高いEsの音もお出しになるソプラノさんで、これからどんどんお上手になられるだろうと、楽しみなことでした。
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私は年末の12月20日に、恒例の掛川での榛葉さんのオペラディナーショウで『ラ・ボエーム』のミミを歌い演出もやる予定ですが、もう一人まだ決まっていなかったムゼッタ役に、彼女に声をかけてみました。
そうしたら、歌ったことがおありだとのことで、とんとん拍子にその場で話が決まりました。
とても美しくてお顔の小さな素敵なムゼッタです。
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ボエームのお稽古を始める前に、10月13日、東京は神楽坂の音楽の友ホールで、榛葉さんのリサイタルがあり、村田も歌わせていただきます。
ピアノ伴奏は何と贅沢なことに、岡崎ゆみさんです。
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いくらなんでもその頃には少しは涼しくなっていることでしょうから、どうぞ皆さまお誘い合わせてお越しください。
これから、皆さんにご案内を出させていただきます。

きゅりあんでの公演の疲れがまだまだ抜けていませんが、明日20日には、東京・麻布台にある「アメリカンクラブ」で講演をさせていただきます。
私の講演の後には、岡崎ゆみさんと村田孝高のコンサートもあります。
そのすぐあとの23日土曜日には、かなっくホールで、村田が歌うチャリティコンサートがあります。
意義のあるチャリティですのでこちらの方にも、お時間のある方は是非どうぞ。
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広島の村田の母が、こんな写真を送ってくれました。
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お庭に咲いた「ベルサイユのばら」の花の中で、ちっちゃなカエルさんが暑さを逃れていました。
可愛いですね。

posted by riyoko at 14:16| Comment(0) | 日記

2023年09月01日

大変なオペラ二本終わりました

9月1日(金)
池田理代子です。

今日の熱海の我が家は、窓を開け放っていると涼しい風が通って、夕方までクーラーは必要ないくらいです。
潮騒と海風と鳥のさえずりに、早くも飛び交い始めたトンボたち・・・都会に通うには不便ですが、新幹線もありますし(でも、夏休み中は駅まで普段15分くらいのところ、45分もかかりますが)、何にも代えがたい安らぎがあります。
そろそろ夏の混雑も終わりを告げ始めた気配です。

村田は、八月に続いた二つのオペラ『ラ・ボエーム』と、『マクベス』のため、一か月以上東京滞在でしたが、ようやく戻ってきました。

『マクベス』には大勢の皆様がチケットをご購入下さったのですが、あの凄まじい東京の暑さのせいか、実際には三分の一くらいの方がおいでになりませんでした。
これまでで一番と言ってもいい、素晴らしい出来だったので、残念な気がしましたが、今田美奈子先生や桂由美先生など、80歳を超えられた方々が足を運んでくださって、お元気なお姿を拝見でき、嬉しかったです。
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ヴェルディなので、オーケストラも大音量でしたが、タイトルロールの村田は、オーケストラにもかき消されず、体の中にトロンボーンでも入っているんじゃないの、と言うくらいの声で、何より、主催の園江先生の奥様が、「村田さんの声が本当に好きなの。音量だけじゃなくて、あんな気持ちのいい声のバリトンて、日本にはいないわよね」と言って下さり、本当に嬉しかったです。
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一週間前に『ボエーム』という大作を歌ったばかりとは思えない、しかも、途中で声帯が合わさらないという事故があったとは思えない、見事な初役の『マクベス』で、あの頃の彼の苦しみや不安を知っている身としては、本当に心から安堵いたしました。
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歌い手は(それも、マイクを使わないで大劇場で歌うオペラ歌手は)、常に自分の喉の調子に不安を抱きながら、歌い続けねばならない宿命を負っているのですね。
色々なトップ歌手の方々が、そう言った不安や苦しみと戦いながら歌い続けていらっしゃることを知っている私は、「ああ、オペラ歌手でなくてコンサート歌手でよかった」と安易に胸を撫でおろしています。

こんな私でも、音大を卒業したばかりの頃には、東京芸術劇場などの大ホールでオペラや第九のソロを歌ったことがあります。
今では恐ろしくて、考えることもできません。
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九月に入ったらすぐに、今度はいくつかの舞台や講演などが待っています。
本当は、三日から青島先生の『コシ・ファン・トゥッテ』の稽古に行かねばならないのですが、実は、この暑さの中、うっかり熱海でお寿司などを頂いてしまって、身体の右半分にどーっと蕁麻疹が出てしまいました。
かゆくてたまりませんが、本番までには何とかなる予定です。
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もしも顔が腫れていても、どうぞご容赦ください。

9月23日(土)には、村田は、東神奈川のかなっくホールでの『ロマンティック・オータム・コンサート』に出演いたします。
今売り出し中の人気の姉妹ヴァイオリン・デュオや国際的な賞の数々に輝くピアニストの石川武蔵さんなどともに、ヴァラエティに富んだチャリティコンサートです。
音楽芸術子ども支援協会の主催で、今回は、紛争の続くミャンマーの無医村で活動している方々に寄付されます。
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ドリンクつきで、4,500円です。
ご興味のある方は、ファックスで0557-68-1180、またはEメールで
baranomuse@gmail.comまでお申し込み下さい。
開演が16:30ですので、お帰りの時間のご心配もないかも知れません。

私は9月20日に、麻布にある東京アメリカンクラブで、日本の漫画文化についての講演をいたします。
講演の後には、ピアニストの岡崎ゆみさんと村田の音楽会が開かれます。
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この暑さが早く収束して、涼しい秋風が吹くことを願っています。


posted by riyoko at 17:19| Comment(0) | 日記