9月8日(日)
池田理代子です。
九月に入り蝉の声もやんで、夕刻からは涼しい風が部屋を通り抜けます。
先日は、代々木のオリンピックセンターで、オペラ『女王卑弥呼』の初めての音楽稽古が行われました。
八月の最終日の夜に、全部の楽曲が完成したので、これまで歌っていただいたアリアなどを除いては、歌手の皆さんはまったくの初見で、何よりピアノ伴奏を弾くコレぺティさんには、その当日にやっと出来上がった楽譜をお渡しするという暴挙でした。
それでも、歌い手の皆さんはちゃんと初見で歌って下さり、コレぺティの白河君も、まるで慣れたオペラを弾くように伴奏して下さり、ただただ驚きでした。
歌い手さんは、二重唱まで初見で歌われ、そういえば私が東京音楽大学を受験した時も、試験科目に「初見視唱」というのがあったことを思い出し、懐かしかったです。
歌手の方たちの歌を聞きながら、私は、その場面の動きや舞台構成を何となく考えることができました。
途中には、楽しいブレイクタイムも。
この夏は、本当に忙しい夏でした。
村田は、こんな格好で「アラジン」を歌ったり、
そうかと思うと真面目な『フィガロの結婚』を歌ったり、
参議院議員の森まさこさんの還暦祝いのパーティで歌わせて頂いたり、挙句に、お風呂場で滑って腰を打ち、膝をひねって松葉づえ生活の妻に代わって、皿洗いその他の家事をこなしたり。
でもその間には、メトロポリタンをはじめ世界のオペラ劇場で活躍していらっしゃるオペラ歌手の田村麻子さんが、お母様とご一緒に我が家の別室に二泊もしていらっしゃったり。
今日は村田が、東京で、俳優の赤川漣さんと打ち合わせがありました。
赤川漣さんは、演技指導と、スサノオに切られる悪役も演じてくださいます。
これから音楽稽古は11月末まで続き、年末年始をはさんで春から立ち稽古に入ります。
私はその間、作曲の薮田先生と曲の変更などの打ち合わせをしたり、舞台美術さんや舞台監督さん、照明さんたちとこまごまと打ち合わせをしたり、他のたまっている仕事を片付けたりします。
来年6月の5日、6日の本番が本当に楽しみです。