12月13日(金)
池田理代子です。
なんと、九年越しの劇場版アニメ『ベルサイユのばら』が
ついに完成試写会を迎えました。
クリスマスのイルミネーションで賑わう、六本木ヒルズけやき坂の東宝シネマ試写室です。抽選で当たった方たちのみの入場とのことでした。
あんな大きい試写室とは思いませんでした。
声優さんや監督たちはもちろん、ナレーションを担当された黒木瞳さんもいらしていて、いつもパーティなどですれ違っていた黒木さんと、初めてゆっくりとお話しできました。
じつはうちの山口や、オペラ『女王卑弥呼』の制作助手を担当してくれている今西さんも連れて行ってあげたのですが(と言うより、わたしの介添え?)みんな、黒木さんの実物を拝見して、「顔、ちっちゃーい!!」と騒いでいました。
試写終了後のトークショウでは、階段の上り下りに、フェルゼン役の加藤和樹さんがエスコートして下さったのですが、エスコートと言うより、足元のふらつく私の介護、と言った方が的確なような有様でした。
まだ10日前でしたけど、何と、ものすごく立派なバースデイケーキとバラの花束(思わずよろけてしまいそうなくらい重い)を頂いて、こちらは本当のサプライズでした。
女性脚本家と女性監督による、原作のエッセンスと意図を十分に読み込んだ、素晴らしい出来栄えの劇場用アニメ、作者の私が不覚にも涙があふれてしまいした。
会場の皆さんも、「涙が止まらなかった」と仰っていました。
舞台を降りる時、このアニメ映画の実現に粘り強く携わった、姪の聖理子ちゃんを思わず抱きしめてあげたい衝動にかられました。
聖理子ちゃんには、今年小学校に上がった娘が一人いるのですが、その子が、少しベルばらを読めるようになって、お母さんに「池田理代子って、まだ生きてる人?」と聞いたそうです。
はい、生きています!
実は生まれてから一度も会ったこともなければ手紙なども書いてあげたことがなかったので、仕方ないことですね。
そう言えば、忙しさにかまけ、小学校入学のお祝いも贈っていなかったし・・・。
深く反省しています。
来年一月三十一日に公開になるこのア二メ映画が、ヒットしてくれますように、と祈っています。
相変わらず、『女王卑弥呼』のチケットのお申込みを山口と二人で捌くのに、てんてこ舞いしています。
先日は、製作スタッフさんが集まって、舞台装置や音楽の長さなど色々なことで話し合いがあり、喧々諤々の末、漸く最後まで通すことができました。
死ぬほど疲れました。
いや、死んでもいられません。24日の椿山荘での三ツ矢直さんのディナーショウのため、久しぶりに先生のレッスンをうけ、腰と足が痛いです。
先生は先生で、28日には旧古河庭園内の大谷美術館ホールでのコンサートがおありになり、私のことどころではない状態なのかも知れないのに、わざわざ熱海まで来てくださいました。
村田は村田で、先日オペレッタのドイツ語版『こうもり』が終わったばかりなのに、今度は広島・アステール大ホールで同じドイツ語版の『こうもり』の稽古に広島まで行き、卑弥呼の制作会議に出てすぐに、年末の掛川でのオペラ・ディナーショウ『カルメン』の稽古で東京に出かけています。