12月5日(木)
池田理代子です。
12月に入ると、突然のように、一年の過ぎるのが速いと感じさせられますね。
六月にニューヨークのカーネギーホールで、村田が歌うのを聴いたのが、もう去年か一昨年のような気がいたします。
葵祭で、私の着物姿が新聞に掲載されたのも、つい今年の五月のことだったのですね。
さて、女王卑弥呼の音楽稽古が始まって、先月の末に、あっという間に音楽ランスルーも終えました。
一応ひと通り通すと、50人近くからなる歌声と迫力に、深く胸を打たれました。
この後しばらくお休みをして、年明けの三月から、立ち稽古に入ります。
バレエもつくことになる、本格的なオペラです。
国や公共機関などの支援を一切受けずに、池田理代子個人での上演となるこの公演、出演者の皆さんやチラシを手に取って下さった方々からのチケットお申込みだけを頼りに、二日間、東京国際フォーラムを観客でいっぱいにしようと覚悟を決めています。
出演者のお一人で、卑弥呼にお告げをする神様役の辰巳真理恵ちゃんが、この間、ご自身が持っていらっしゃるFM放送の番組で、私と村田を呼んでオペラの宣伝をしてくださいました。
それから、この『女王卑弥呼』の20年以上前の発案者でもある、歌舞伎俳優の中村福助さんの「裏梅会」も、ご協力をくださるとのことで、先日、裏梅会のパーティに顔を出してきました。
福助さんもとても喜んでくださり、是非稽古から見せてほしいとのことでした。
歌舞伎とオペラと日本舞踊が融合した舞台になるはずだった『女王卑弥呼』、様々な事情からなかなか実現に至らず、私も既に人生の終末期を迎えたので、何としてもこの舞台だけは実現したいと強く思って決心いたしました。
皆さんのご協力を、心からお待ちしております。
作曲者の薮田先生の関係で、沢山のチケットを買って下さる方から、先日湯河原の料亭にお誘いを受け、立派なカニ尽くしのお料理を頂いてきました。
間人(たいざ)蟹という、なかなか手に入らない立派な蟹を使った素晴らしいお料理でした。
お陰で、少し疲れもとれたような気分です。
普段は村田に、私の乏しいメニューの手料理を食べさせているので、ずっとオペラの舞台続きの彼も、少し体力がついたのでは。
このところ17kgも体重が減っていましたから。
私が料理をするというと、驚かれることが多いのですが、うちでは料理は私の担当なんです。
もっとも、この頃は冷凍食品を使うことが増えてきましたが。
先日、東京での『女王卑弥呼』の音楽ランスルーの帰り、海老名SAで食事をしたとき、すぐ隣のテーブルに、若くて可愛いアイドルグループの女の子たちがいました。ちょっとお喋りをしたら、ベルばらのことは知っているとのこと、私が作者だと分かって、きゃーきゃーはしゃいでくれました。
こんな若い人たちにも知ってもらっていて、何だかとても嬉しかったです。
若い人たちと言えば、つい先日静岡市で講演会があったのですが、会場に来てくれていた人たちの中にも、お母さんやおばあちゃまから勧められて読んだという若い人達がとても多くて、こうして読み継がれていることを知り、とても嬉しかったです。
この日会場に来てくれた人たちからも、早速『女王卑弥呼』へのチケットお申し込みをいただきました。
ところで、大相撲佐渡が嶽部屋後援会員の私達、先月の九州場所で、ついに琴櫻が優勝を果たし、涙を流して大喜びしました。
初場所が今から楽しみです。