3月12日(火)
池田理代子です。
荒れる三月ですね。
私はひどい花粉症で、朝起きたら目ヤニで目が開かず、昼間は鼻水ぽたぽたの毎日です。
実は今、さる由緒ある神社からの依頼で、久々のカラー原稿を描いているのですが、絵に鼻水が滴らないように、鼻にティッシュを詰めて仕事しています。
ああ、辛い。
何年か前の村田の様子を笑った罰が当たった。
今年のお雛祭りは、熱海街中の行きつけのお店で、すごく可愛らしい三段飾りをみつけ、お玄関に飾りました。
村田がちらし寿司も買ってきてくれて、何年振りかで華やいだ嬉しいお雛祭りを過ごしました。
その村田ですが、9日には、東京・紀尾井ホールでの『岡崎ゆみピアノリサイタル』に第二部で客演させていただき、閉じこもりきりの私も何か月ぶりかで東京に出かけました。
この日は、愛子さまがおでましとあって、心なし客席が華やいでいたような気がしました。
第二部のプログラムに、来年のオペラ『女王卑弥呼』から、村田が「この素戔嗚は」と言うアリアを歌うことになっていたので、ゆみちゃんが、ぜひ私にオペラの解説をと優しい心遣いをしてくださって、私も舞台に上がらせていただきました。
愛子さま、来年のオペラも見に来てくださると嬉しいんですけど。
早速にその日からぽつぽつと来年のお申し込みを頂いております。
さてその日の終演後、ロビーで皆様にご挨拶したり写真撮影をしたりした後、村田は大急ぎで着替えて荷造りをして、タクシーで羽田に向かい、そのままイタリアへ飛ぶ予定でした。
ちょっと遅れてチェックイン、やれやれとラウンジに腰を下ろしたら、何と予定の飛行機が二時間遅れとのこと。
ドバイでの乗り継ぎに間に合わなくなってしまったそうです。
「今日の公開リハーサルに間に合わない!!」10日のファーノでの公開リハはとうとう間に合わなくて、翌日の本番直前にかろうじて滑り込み、11日のロッシーニ歌劇場での第九本番に歌うことができたとのこと。
逐一届くメールに、私は生きた心地がしませんでした。
でも、バタバタした割に結構本人はリラックスして歌えたそうです。
満場のお客様は割れるような拍手を下さり、いつまでも帰ろうとされなかったとのことで、喜びが伝わってきてほっといたしました。
ばたばたと燕尾にアイロンをかけ、これから舞台へ出るところだそうです。
この後14日のバチカン公演のため、ローマにに向かいます。
何より嬉しかったのは、ロッシーニ歌劇場でもバチカンでも、第九の前半に、『女王卑弥呼』からいくつかのアリアを歌わせていただけること。
作曲の薮田先生も、心から喜んでいらっしゃいました。
さあ、私はカラー原稿の仕上げにかからねば。
体中ががちがちです。
たまらず、夜中の三時に温泉に行ったりしています。