2024年01月11日

元旦から大変な年になりました

1月11日(木)
池田理代子です。

今年は、雲もない見事な初日の出が撮れて、喜んでもう一寝入りしたら、起きてから大変な災害のことを知りました。
ことしこそ・・・と思っていらっしゃった方も多かったと思いますが、何と言う歳明けになってしまったのでしょうか。
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夜遅い温泉に独り浸かっていると、被災地の方々を招いてあげたいな・・・と思われてなりません。

この分ではきっと箱根駅伝も中止だね、と村田と二人話していたのですが、こちらは無事に敢行され、村田の甥が在籍している青山学院大学が、雪辱を果たしました。

実は大みそかに、眠る前に、珍しくこんなスパークリングワインを空けました。
『オテッロ』と言う名前の付いたスパークリングワインで、「来年は、オテッロのイヤーゴの役が来るといいな」とゲンを担いで栓を抜いたのですが、果たしてどうなることでしょうか。
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今年は6日から初オペラで、以前だったら歌舞音曲はすべて中止になるところでしたが、何とか幕を開け、多くの皆様が足を運んでくださいました。

テノールではなくバリトンですが、珍しく、イオランタ姫の許婚者と言う役どころで二枚目の役でした。
美しいアリアが一曲ありました。
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この初オペラの終演後、打ち上げに出て、彼はそのまま、松戸にある佐渡が嶽部屋での二所ノ関一門の合同稽古に出かけました。
いや、もちろん見学ですよ!
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琴ノ若はもちろんのこと、大関の霧島関をはじめ、竜電、高安、玉鷲といった名だたる力士たちが、激しいぶつかり稽古をする様は、壮観だったそうです。
親方に「やってみたくなったでしょ」と言われ、あわや回しを締めさせられそうになったとか。
乗せられてやっていたら、きっと全身骨折して帰ってきたことでしょう。
大勢ひしめいているお相撲さんたちが、みんな村田のことを「え?」と二度見したそうで、最後に玉鷲関から「かっこいいですね、何やってる人ですか?」と聞かれたとか。
オペラ歌手だというと、とても納得していただけたそう。

この後二月に入ると12日に紀伊国屋サザンシアターで、百人一首の成り立ちの秘密を描く新作オペラ『たましづめ』、村田は、隠岐に流されて怨念の塊となっている後鳥羽上皇の役です。
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似合いすぎていて、想像するだに恐ろしい感じです。
お陰様でこちらのチケットは完売となりました。有難うございます。
それが終わるとすぐに、広島での『カルメン』で、持ち役の闘牛士エスカミーリョを演じます。
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そして、それが終わると3月9日には、いよいよ世界的ピアニスト・岡崎ゆみさんの紀尾井ホールでのピアノリサイタルに客演として呼ばれていて、「イタリア」をテーマに、かなりの曲数を歌うことになっています。
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お陰様でこちらの舞台のS席チケットは完売となりました。有難うございました。
A席チケットはまだありますので、どうぞお申し込みをお待ちしております。
なんと、この音楽会が終わると、その夜に、村田はすぐ羽田からイタリアに向けて飛び立たねばなりません。
ペーザロとバチカンでの第九のソロイストが待っているのです。
今年は、アルトソロを大和悠河さんが歌います。

51歳を迎えて、聞く方々の誰もが認めて下さる円熟の歌声となってきた村田ですが、バリトンの華ともいうべき50歳代をどうか有意義に生きて活躍してほしいと願わずにはいられません。
この円熟の歌声を、私は最後まで聞き届けられるかな・・・?
もっと早く知り合えばよかったと、詮方ないことを考えたりします。
posted by riyoko at 16:59| Comment(0) | 日記

2023年12月31日

今年も終わります

12月31日(日)
池田理代子です。

2023年も終わります。
先ほど、9Fのレストランの年越しそばをいただきました。
村田は、恒例の佐渡が嶽部屋のお餅つきにも出かけ、美味しそうなおもちをどっさりと持って帰ってきてくれました。
お正月が楽しみです。
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沢山のコンサートやオペラをこなした村田孝高はもちろんのこと、私にとってもこの12月は、3つも舞台が続き、慌ただしい師走となりました。
しかも、18日から、何ということでしょうか、久々の本格的な風邪を引いてしまい、20日には掛川での榛葉さんのオペラディナーショウで私は『ラ・ボエーム』の主役ミミをやることになっているというのに、まったく声が出なくなってしまいました。
お薬を飲みまくり、喋るのも控えて、20日本番の朝にようやく、歌うための道筋を見つけ(依然として話す声は出なかったのですが)、高音が出るようになったので、本番に挑みました。
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熱もあって、伴奏ピアノも十分に聞こえていない中、レチタティーヴォのとんでもないところがするっと抜けたりして、相手役ロドルフォの榛葉さんには沢山の負担をおかけしてしまいました。
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でも、アリア四本は何とか歌い終え、お客様には気づかれずに済んだようで、「高音が凄く美しかった」とか「最後のシーンで感動して涙を抑えるのに苦労した」とかいったお言葉をいただき、風邪で声が出ない状態だったことは気づかれていなかったのだと、ほっと安堵しました。

初めてオペラに挑む大和悠河さんが素敵な花のあるムゼッタを演じて下さり、舞台を大いに盛り上げてくださいました。
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終演後のアプローズで、二日前に誕生日を迎えたばかりの私に素晴らしいケーキがプレゼントされ、まったく予想もしていなかった驚きに嬉しさが爆発しました。
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ケーキに添えられたイタリア語のおめでとうプレートは、まだ大事にとってあります。
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この日は東京から桂由美先生がわざわざおいで下さって、掛川ではちょっとした騒ぎとなりました。
皆さんの温かい心に支えられて、大風邪を引きながらの舞台『ラ・ボエーム』を何とか終えることができました。

さあ、来年からは、2025年の国際フォーラムでの大舞台『女王卑弥呼』に向けて、フル稼働で準備を始めなければなりません。
秘書の山口さんのお陰で、衣裳も着々と出来上がり(彼女は和裁の専門家なんです!)、あらかた出演者の目途も立ってきたところで、私は演出プランに取り掛かっています。
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東京国際フォーラム1,300席を二日間お客様でいっぱいにするのは容易なことではありませんが、どうぞ皆さん、2025年6月5日6日の予定を空けておいてくださいね。

村田孝高は、年明け早々1月6日から、チャイコフスキーのオペラ『イオランタ姫』で仕事始めとなり、その後も続々とオペラが入っています。
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何よりも、来年はバチカンに第九のソリストとして歌いに行き、そして六月には初めてニューヨークのカーネギーホールでのコンサートにも出演することになっています。
どうぞ来年も、皆さんの変わらぬ応援を心からお願い申し上げます。
そして、来年が皆さんにとって少しでも今年よりいい歳となりますよう、お祈りしております。



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posted by riyoko at 20:55| Comment(0) | 日記

2023年12月11日

さすがに師走です

12月11日(月)
池田理代子です。

さすがに師走です。何ということもないのに、ばたばたと動き回っています。
ひとつには、12月20日に掛川グランドホテルで開かれる、榛葉さんのオペラ・ディナーショウの『ラ・ボエーム』の稽古や合わせで東京に出ることが多くなりました。
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以前(と言っても20年以上前ですが)通しでやっている演目なのに、びっくりするほど忘れていて、「えっ、こんなのあったっけ???」という感じで、コレぺティさんに忍耐強く何度も繰り返しピアノを弾いていただいています。
歳を取るというのは本当に恐ろしいものです。
もと宝塚の男役だった大和悠河さんの、素晴らしい高音でのムゼッタには、本当に驚かされます。

先日、新井直樹先生のお教室の発表会が、サントリーホールのブルーローズであり、『運命の力』や『海賊』や『ドン・カルロ』『サムソンとデリラ』などから難しい大曲のアリアを、70歳を超えたような方々が立派に歌っていらっしゃるのを目の当たりにし、自分が恥ずかしくなりました。
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村田孝高後援会の理事をしてくださっている井戸さんも、『誰も寝てはならぬ』を果敢に歌われ、本当に感心いたしました。
何より、師匠の新井直樹先生が、声帯を失うという手術をなさり、お声が出ない中、皆さんに立派な発声をお教えになっていらして、奇跡を目の当たりにするような気持でした。
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そう言えば、当日ピアノ伴奏をしていらした榎本さんから、以前私もお教えを乞うていた藤原歌劇団のプリマ・本宮寛子先生が、80歳になられてもますます高音が冴えて、Esどころかこの頃では下手をするとGまでお出しになれるようになられたと伺って、精進を続けることの凄さに驚かされた次第です。

もう体が辛いので、いつも「これで歌をやめよう」と言うことばかり考えている私ですが、人間の体の凄さ、努力を続けることの凄さを思い知らされた一日でした。

羽山ご夫妻のコンサートが近づいていますが、16,17両日のうち、16日のチケットは完売いたしました。
ご協力有難うございました。
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私は、ベッリーニの『カプレーティ家とモンテッキ家』から有名なジュリエッタのアリアを歌わせていただきます。
これは、ロミオとジュリエットの歌劇で、羽山ご夫妻が25年前ご結婚なさったのも、ロミオとジュリエットの悲劇の舞台となったヴェローナでの留学中ということで、お祝いにちょうどいいかな・・・でも、あれは悲劇の物語だし・・・などと思い悩んでいます。

この頃とみにとろみが増して、気持ちよくなってきた温泉につかって、もう少し頑張って歌い続けよかな…などと考えています。

また先日は、2025年6月の私が書いたオペラ『女王卑弥呼』の作曲者・薮田翔一先生と、神楽坂のレストランで初めて正式な打ち合わせをし、いよいよ本格的にこのオペラも始動を始めたところです。
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随分先の話ですが、さる団体から、2028年のロンドン公演に持っていきたいとのお話もいただいて、本当に実現してくれれば、その頃に私はもう生きていなくても、何かしらの足跡を残せるのだという感慨でいっぱいです。


posted by riyoko at 14:53| Comment(0) | 日記

2023年11月30日

世界の名だたる歌手と共に

11月30日(木)
池田理代子です。

吹きすさぶ風がすっかり冷たくなりましたね。
うっかりしていると風邪を引きそうで、私は外出時にはマスクをつけるようにしています。

普段はなかなかお顔を拝見できないような方々も、先日の23日のオペラ・ガラコンサートには集まってくださいました。
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リヒテンシュタイン侯国のSIAA財団主催の、一国から一人代表で選ばれての、華やかな顔ぶれのコンサート、演奏はロイヤルチェンバーオーケストラ、指揮はダニエレ・アジマン氏という豪華な舞台です。
中国や南アフリカ、ポーランド、ハンガリー、リトアニアなどから選ばれた歌手たちは、いずれもメトロポリタン歌劇場・ミラノスカラ座・日本の新国立劇場をはじめ、世界的なオペラ劇場で歌っている方たちばかり。
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その中に在って、日本代表の村田は、決して引けを取らない素晴らしい歌でした。
みんな体格もよく声も大きく、特にリトアニア代表のメッツォさんなんか、180cmくらいありそうに背も高く、日本では聞いたこともないようなすごい声量でした。
村田が決して大きく見えないような皆さんの中に在って、日本代表として、『仮面舞踏会』からのあの難しく美しいアリアを立派に歌い上げ、本当に立派でした。
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日本ではいつも稽古場で「そんな大きな声いらねえんだよ!」と怒られている彼ですが、「大きな声がでてなんぼのオペラ歌手」ということを実感いたしました。
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沢山のスタンディングオベーションとブラーボに包まれて、日本代表として歌い切った彼の満足そうな顔が印象的でした。

日本での引受先としてコンサートをまとめた方も涙ぐみ「村田さんは、日本人の誰もが持っていない声を天から与えられた」と素晴らしい言葉をかけてくださいました。

このあと、休むまもなく、村田は来年新年1/6のチャイコフスキーのオペラ『イオランタ姫』の稽古に入り、また私は、親しくさせていただいている羽山晃生・弘子ご夫妻のコンサートに、村田ともどもゲストとして出演させていただきます。
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そして12/20の納めには、掛川で榛葉さんのオペラ・ディナーショウ『ラ・ボエーム』で私はミミを、村田は画家のマルチェッロを演じさせていただきます。
宝塚出身の大和悠河さんがムゼッタを歌います。
何と私は演出も致します。

わざわざ東京から、桂由美先生も駆けつけて下さるそうです。
あ、もちろん森家さんご夫妻も!
今からもう、くらくらするほど緊張しています。
posted by riyoko at 13:27| Comment(0) | 日記